カテゴリ:アート( 1 )

この間のLA行きが3日後に迫ったある日の夜のこと、テレビに油絵で描かれた星空の絵が一瞬映った。 
ほんの一瞬のことなのに、その星の輝きに完全に心が奪われてしまい、この星の光をこの目で実際に
観てみたい!とおもった。 「小堀四郎」という人の絵らしいが、初めて聞く名前だ。
とにかくどこの美術館でやっているのかだけ、近くにあった紙に急いでメモした。
そうしたらあいにく東京ではなく、なんと信州の茅野である! でも何度も新宿からあずさで松本方面に
行ったことがあるわたしは、よし、明日日帰りで行ってみよう!と迷わず決めたのだった。
あの星たちにわたしは呼ばれている、そう感じたから。

翌朝新宿を9時に出るあずさに乗り込むと、11時半に茅野に着いた。 ラッキーだったのは美術館が
駅に直結しているのですぐに観賞できること。 会場には人がいなくて、静寂の中ほぼ貸し切り状態で
じっくり観て廻ることができた。 
初期の作品には人物画や静物画があるが、後半になると星空、夜空、月夜を描いた作品が多く、タイトル
やテーマが非常に哲学的になってくる。 「生命の神秘」という自然を描いたシリーズやずばり「人生とは」
などという作品もある。

小堀四郎はどの画壇にも所属することなく、真に自分の芸術の道を究めるべく、また自らの精神性を少し
でも高めるべく、商業主義とは一切無縁にひたすら孤高に歩んできた画家だと知った。
星を描くようになったのは、戦時中に疎開先の信州で寒さ厳しい冬の夜道を歩いていた際、見上げた
夜空に輝く星があまりに美しく魅了されてしまったからだという。
小堀が感激したその星の光に、なぜかわたしもまた同じように強く魅せられたのだった。

何となく重い感じがしてわたしは油絵はあまり好きではないのだが、不思議に小堀の描く星々は本当に
瞬いているように見えて、絵の前に立つとその星空の漆黒と星の輝きに吸い込まれそうになる。
ずうっと観ていても飽きない。 立ち去り難くなってしまうのだ。
星の光に力があるというか、星の輝きが何か自分に訴えかけてくるような感じがしてならない。

シリアの砂漠を旅した時の夜空を描いた星の三部作があるのだが(「宵の明星」「深夜の星」「暁の星」)、
いずれも非常に大きな作品である。 これらが築地にある教会の神父の目に留まり、「貴方(小堀のこと)
の星の絵の前で一時間考えさせられましたが、あれはカトリック教会の信、望、愛を良く表現しているの
で、聖堂の祭壇に飾らせて下さい」との申し出があったという。 
小堀はそれに応じ、しばらくの間この三部作が築地の教会に飾られていた時期があったそうだ。

わたしもこの一連の星の作品群は教会に置かれるのがまさにふさわしい気がして、思わず納得してしまった。  美術館ではなく、むしろ教会でこの三部作をわたしも心ゆくまで静かに眺めてみたかった。
自分の在り方、生き方について深く静かに問いかけてくるような、そんな作品に出会えたことをとても幸せ
に感じる。 このひときわ清冽な強く美しい光を放つ星が、自分のこれから歩んで行く道を常に照らし、導いてくれるようで心強くもある。
小堀自身の誠実で謙虚で真摯な生き方がそのまま表れているような、そんな本物の星の輝きを目の前
にする貴重な機会に恵まれたことに心から感謝したい。


 (すでに終了していますが参考までに) 茅野市美術館「小堀四郎展」概要

 
   
    http://www.chinoshiminkan.jp/museum/2012/0728/index.htm



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by ayalove343 | 2012-09-20 20:06 | アート | Trackback | Comments(2)

ソウルプラン、絵本、そして地球ライフを愛するAYAが、世界のステキな場所や日々のくらしの喜び&しあわせなひとときを、写真をたっぷり添えてご紹介します。


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